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(1) 安全装置 (安衛則 第29条)
 
1 労働者は、安全装置等について、次の事項を守らなければならない。
@ 安全装置等を取りはずし、又はその機能を失わせないこと。
A 臨時に安全装置等を取りはずし、又はその機能を失わせる必要があるときは、あらかじめ、事業者の許可を受けること。
B 前号の許可を受けて安全装置等を取りはずし、又はその機能を失わせたときは、その必要がなくなった後、直ちにこれを原状に復しておくこと。
C 安全装置等が取りはずされ、又はその機能を失ったことを発見したときは、すみやかに、その旨を事業者に申し出ること。
事業者は、労働者から事項第4号の規定による申出があったときは、すみやかに、適当な  措置を講じなければならない。

(2) 就業制限 (安衛法 第61条)
 
1 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行ってはならない。
3 第1項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯しなければならない。

(3) 事故報告 (安衛則 第96条)
 
1 事業者は、次の場合は、停滞なく、様式第22号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
D 移動式クレーン(クレーン則第2条第1項に揚げる移動式クレーンを除く。)の次の事故が発生したとき
転倒、倒壊又はジブの折損
ワイヤロープ又はつりチェーンの切断
2 次条第1項の規定による報告書の提出と併せて前項の報告書の提出をしようとする場合にあっては、当該報告書の記載事項のうち次条第1項の報告書の記載事項と重複する部分の記入は要しないものとする。

(4) 検査証の備付け (クレーン則第63条)
 
事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行なうときは、当該移動式クレーンに、その移動式クレーン検査証を備え付けておかなければならない。

(5) 作業方法の決定等 (クレーン則第66条2)
 
移動式クレーンを用いて作業をするときは、その能力、作業場所の広さ、荷の重量等を考慮して、あらかじめ、次のことを定め、関係労働者に周知することが必要になりました。
@ 作業の方法
A 転倒を防止するための措置
B 労働者の配置及び指揮の系統

(6) 転倒の防止 (クレーン則第70条3)
 
移動式クレーンの転倒事故を防止するため、次の措置が新たに定められました。
@ 地盤が軟弱な場所等では、原則として移動式クレーンの使用は禁止されました。
〔ただし、転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等を敷いた場合には使用できます。なお、その場合、アウトリガーは鉄板等の中央部分に設置しなければなりません。〕
A アウトリガー、クローラは、原則として最大限に張り出して使用しなければなりません。
〔ただし、最大限に張り出せない場合には、一定の措置のもとで使用が認められます〕

(7) 旋回範囲内への立入禁止 (クレーン則第74条)
 
移動式クレーン上部旋回体によるはさまれ等の事故を防ぐため、その周辺への立入りを禁止することが必要となりました。

(8) つり荷等の下への立入禁止等 (クレーン則第74条2)
 
次の場合につり荷又はつり具の下への立入りが禁止されました。
@ ハッカーを用いた玉掛け
A つりクランプ1個を用いた玉掛け
B 一箇所だけでの玉掛け(アイボルト等にワイヤーロープ等を通した場合を除く)
C 複数の荷の玉掛け(結束された場合、箱に入れられた場合等を除く)
D 磁力又は陰圧による玉掛け
E 自由に降下による運転
また、つりクランプ、磁力又は陰圧により吸着させる玉掛用具、チェーンブロック、チェーンレバーホイストについては、定められた使用過重等を守ることが義務付けられました。

(9) 強風時の措置 (クレーン則第74条3)
 
10m/s以上の風が吹いて、荷が揺れたり、回転したりするとき等には、作業を中止することが定められました。
また、強風により、移動式クレーンが転倒し、又は、クレーンのジブが損壊するおそれのあるときは、労働者の危険を防止する措置が必要となりました。

(10) 定期自主検査 (クレーン則第76条)
 
1 事業者は、移動式クレーンを設置した後、1年以内ごとに1回、定期に、当該移動式クレーンについて自主検査を行わなければならない。ただし、1年をこえる期間使用しない移動式クレーンの当該使用しない期間においては、この限りでない。
事業者は、前項ただし書の移動式クレーンについては、その使用を再び開始する際に、自主検査を行わなければならない。
事業者は、前2項の自主検査においては、荷重試験を行わなければならない。ただし、当該自主検査を行う日前2月以内に第81条第1項の規定に基づく荷重試験を行った移動式クレーン又は当該自主検査を行う日後2月以内に移動式クレーン検査証の有効期間が満了する移動式クレーンについては、この限りでない。
前項の過重試験は、移動式クレーンに定格過重に相当する荷重の荷を吊って吊上げ、旋回、走行等の作業を定格速度により行なうものとする。
(クレーン則第77条)
事業者は、移動式クレーンについては、1月以内ごとに1回、定期に次の事項について自主検査を行なわなければならない。ただし、1月をこえる期間使用しない移動式クレーンの当該使用しない期間においては、この限りでない。
@ 巻過防止装置その他の安全装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ及びクラッチの異常の有無
A ワイヤロープ及びつりチェーンの損傷の有無
B フック、グラブバケット等のつり具の損傷の有無
C 配線、配電盤及びコントロールの異常の有無

(11) 自主検査の記録 (クレーン則第79条)
 
事業者は、この節に定める自主検査の結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。

(12) 検査証の有効期間の更新 (クレーン則第84条)
 
登録性能検査機関は、移動式クレーンに係る性能検査に合格した移動式クレーンについて、移動式クレーン検査証の有効期間を更新するものとする。この場合において、性能検査の結果により2年未満又は2年を越え3年以内の期間を定めて有効期間を更新することができる。

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